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2011年03月06日

歯科医師ワーキングプア問題

弁護士の富田です。

「ZAITEN」という雑誌の2011年4月号では「歯科医 “自業自得”の生活難」と題する特集記事が組まれていました。

ワーキングプア歯科医師の問題については、すでに何年か前から報道されていますが、今回「ZAITEN」でも15頁の分量を割いて特集記事が組まれています。

これによると、現在では就業歯科医師総数の9.5%にあたる9300人程が年間所得200万円以下の“貧困層”であると推計されているとのことです。その原因としては、1970年代に子どもの虫歯が大きな社会問題となって歯学部を増設した結果、歯科医師の数が多くなり、供給過多から過当競争が生じたことにあるようです。

この「需要と供給のバランスを見極めずに短絡的に数を増やす→供給過多になり過当競争が生じる。」という図式は弁護士にもそのままあてはまります。ワーキングプア歯科医師の問題は弁護士にとっても対岸の火事ではありません。

また、「歯科大学・歯学部 『強欲の果て』の経営危機」と題する記事の中では、「歯学部の入学定員数減少に歯止めがかからない。その背景には、歯科医師国家試験の合格率の低さと、莫大な授業料にある。」との記載がありますが、この「歯学部」の箇所を「法科大学院(ロースクール)」に、「歯科医師国家試験」の箇所を「新司法試験」に替えれば、そっくりそのまま法科大学院(ロースクール)の抱える問題にも当てはまります。歯学部が抱えている問題点は驚くほど法科大学院とも共通する部分が多いことが分かります。

興味のある方は是非「ZAITEN」2011年4月号をご一読下さい。

投稿者 staff : 21:28 | コメント (0)