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2011年10月14日

MBOをめぐる新制度

弁護士の富田です。

少し前の記事になりますが、10月4日(火)から7日(金)までの4日間にわたり
朝日新聞夕刊の「経済ナビゲーター」でMBOに関する記事が連載されていました。
MBOとはどのようなものであるのかといった基本的なことから始まり、MBOの抱える
構造的な問題点、MBO実施後に再上場した会社のことなどがコンパクトに分かりやすく
説明されています。

興味深かった内容としては、現在法務省がMBOをめぐる新制度の創設を検討している
とのことです。特に、MBOの差し止め請求権など少数株主に対して一定程度配慮した
法改正を検討しているようです。

これまで、MBOに際しての株主保護といえば、株式買取といったように専ら事後的な
経済的救済のみが論じられており、事前の救済手段については必ずしも十分に論じられては
きませんでした。MBOの事前差し止めを真正面から認める制度もなく、事前的な救済手段は
かなり脆弱なものであったといえます。

しかし、株式を長期にわたり安定して保有し続けたいという株主も相当数存在するでしょうから、
MBOに際して正当な価格さえ支払えば株主を会社経営から締め出して良いということにはなら
ないはずです。

現在のところ法務省が検討している新制度の内容がどのようなものになるのかは明らかではありませんが、今後の動向には注目する必要があります。

投稿者 staff : 2011年10月14日 11:21

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