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2012年02月07日

会社法改正パブリックコメント

弁護士の富田です。

先週の1月31日に私の所属する株主の権利弁護団が、会社法改正にあたってのパブリックコメントを法務省に送付しました。

会社法改正が議論されていることは、昨年末にこのブログでも紹介させていただきました。昨年の12月に法務省から「会社法制の見直しに関する中間試案」が出されましたので、この中間試案に対する意見を今回法務省に提出しました。

今回の会社法改正の中間試案については、社外取締役や多重代表訴訟などガバナンスの強化を図る改正を検討していること自体は評価に値すると思います。
しかし、例えば多重代表訴訟について、中間試案のA案では、多重代表訴訟が提起できない場合として、当該請求原因行為により親会社に損害が生じていない場合が挙げられています。しかし、これでは多重代表訴訟が認められる余地が狭められてしまうため、このような規定が果たして必要かは疑問とするところです。

また、ガバナンス以外の分野では、特別支配株主による株式売渡請求権が検討されています。しかしこれが認められれば、一定の株主数さえ得てしまえば、少数株主を強制的に会社経営から締め出すことが可能になってしまいます。これは、長く会社経営に携わりたいという株主の意思を無視するものであるといえますし、少数株主の財産権という観点からは由々しい問題であるといえます。

このように、今回の会社法改正の中間試案は、危うい一面も有していることから、株主の権利弁護団としても意見書を法務省に送付しました。

内容は、株主の権利弁護団のホームページから見ることができますので、是非ご一読下さい

投稿者 staff : 2012年02月07日 14:14

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