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2013年05月08日
「司法占領」(鈴木仁志著、講談社文庫)
弁護士の富田です。
早いものでゴールデンウィークも終わりました。
さて、先日のブログでも少し言及しましたが、「司法占領」(鈴木仁志著、講談社文庫)を購入して読んでみました。この本は今から約10年ほど前に出版された本です。昨年文庫本として出版されました。
この本は当時進められていた司法「改革」に警鐘を鳴らす本でした。
その当時私は司法試験受験生であり、とにかく合格することに必死だったこともあり、この本のことも司法改革の問題点についてもあまり深く考えることがありませんでした。
今年になって同じ著者が書いた「民法改正の真実 自壊する日本の法と社会」を読み、「司法占領」が昨年文庫本として出版されたと聞いたので購入して読んでみることにしました。
この本が最初に出版されたときの予想と今日の現実とでは異なっている部分もあります(例えば新司法試験の合格者数や合格率のこと等)。ただ、この本が警告したことのいくつかは不幸にも的中してしまいました。例えば、ロースクール時代の奨学金という名の借金を抱えながら登録せざるを得ない新人弁護士の存在や弁護士間の過当競争がもたらす弊害などは、この本の予言がまさに的中してしまっています。
その意味で現在でも購読価値のある本だと思います。