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2014年09月16日
平成26年司法試験合格発表
弁護士の富田です。
先週9月9日に平成26年の司法試験合格発表が行われました。
合格者数は昨年より239人少ない1810人になりました。この数字は新司法試験が始まった平成18年以降最少の人数のようです。
すでに司法試験合格者数急増に伴う弊害(新人弁護士の就職難等)が各所で指摘されるようになり、本年4月には自民党、公明党が相次いで司法試験合格者数減少を提言するなど各所からの司法試験合格者数削減を求める声を受けての合格者数削減ではないかと思います。
法務省がこれらの声を受け止めて司法試験合格者数の減員に舵を切ったこと自体は評価できると思います。おそらく来年以降もこの傾向は続き、司法試験合格者数は減少傾向になるのではないかと思います。
問題は今後どこまで司法試験合格者数が減少するのかという点です。適正な年間の司法試験合格者数はおおむね1000人程度というのが私を含む大方の弁護士の意見であり、今後そこまで減少させることが必要になると思います。
また、今後司法試験合格者数を減少させた場合に法科大学院をどうするのかという点も問題になります。法科大学院は司法試験合格者数激増に対応するために設立されたものです(もっとも私としてはこの理念を法科大学院が実現できているとは思っていませんが・・。)から、司法試験合格者数が旧司法試験の最後のころのように1500人にまで減少した場合には果たして存続させる意味があるのかは大いに疑問です。
さらに予備試験をどうするのかも問題です。今回の発表でも予備試験通過者の健闘ぶりが際立ちました。予備試験通過者の司法試験合格率は66.8%であり、高い数字になっています。すでにこのブログでもお伝えしているとおり現在予備試験をめぐっては受験資格に制限を加えようという議論もありますが、安易な受験資格制限が行われることのないようにしっかりと監視をする必要があります。